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見解日頃からの防災の備えの重要性はわかりますが、地震直後の人々の恐怖心を利用して呼びかけるのはどうかと思います。 「南海トラフ臨時情報」はある地域でM7以上の地震が起きたというただそれだけを理由に、巨大地震の兆候が全く観測されていなくても、巨大地震が起きるかもしれないと人々にミスリーディングをさせることで、効果的な行動変容(防災への対応)を促す狙いがあり、いわば「壮大な社会実験」(福和伸夫・名古屋大学名誉教授)でした。 防災意識を高めることの必要性は否定しません。そのために、社会的規模での防災訓練が必要なら(防災の日の前後など)事前に決められた時期に行えばよいはずです。地震直後の人心が動揺している時期に乗じて行う必然性がありません。「日本全国いつでもどこでも地震が起き得る」という前提で対策すべきなのに、南海トラフ地震に限って特殊な対応を行えば、他地域との防災格差が生じる可能性もあります。

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  • 関口威人

    ジャーナリスト

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コメンテータープロフィール

慶應義塾大学卒業後、産経新聞記者を経て、2008年、弁護士登録。2012年より誤報検証サイトGoHoo運営(2019年解散)。2017年からファクトチェック・イニシアティブ(FIJ)発起人、事務局長兼理事を約6年務めた。2018年『ファクトチェックとは何か』出版(共著、尾崎行雄記念財団ブックオブイヤー受賞)。2022年、衆議院憲法審査会に参考人として出席。2023年、Yahoo!ニュース個人10周年オーサースピリット賞受賞。現在、ニュースレター「楊井人文のニュースの読み方」配信中。ベリーベスト法律事務所弁護士、日本公共利益研究所主任研究員。

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