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薬師寺泰匡

薬師寺泰匡認証済み

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救急科専門医/薬師寺慈恵病院 院長

報告

解説黄色ブドウ球菌は毒素を産生し食中毒を起こします。毒素は熱に強いので、産生後に加熱をしても食中毒を起こしてしまう点は注意が必要です。 高音多湿環境で菌が繁殖するので、7月から9月には発生数が増えます。 黄色ブドウ球菌は手にもついているので、弁当を作る時に入り込んでしまいます。家庭でも気をつけなくてはなりません。近年は素手でおにぎりを作ることも減ったと思うのですが、高い塩分濃度でも菌が繁殖するので、この季節は特に素手でのおにぎりは避けましょう。保存は冷蔵庫で! 黄色ブドウ球菌は発症までの時間が比較的早いです。アレルギーとの見極めも重要なので、摂食後に嘔吐が続く場合には早めに医療機関受診をお願いします。嘔吐が強い場合には水も飲めなくなるので、点滴しなくてはなりません。 亡くなってしまわれた事、残念です。そのくらい強い症状を呈するものなのだと、今一度心に留めていただければと思います。

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  • 石田雅彦

    科学ジャーナリスト

    補足黄色ブドウ球菌は、細菌が産生する毒素による食中毒の代表的な原因菌で、傷口が化膿する原因になる病原体で…続きを読む

コメンテータープロフィール

薬師寺泰匡

救急科専門医/薬師寺慈恵病院 院長

やくしじひろまさ/Yakushiji Hiromasa。救急科専門医。空気と水と米と酒と魚がおいしい富山で医学を学び、岸和田徳洲会病院、福岡徳洲会病院で救急医療に従事。2020年から家業の病院に勤務しつつ、岡山大学病院高度救命救急センターで救急医療にのめり込んでいる。ER診療全般、特に敗血症(感染症)、中毒、血管性浮腫の診療が得意。著書に「やっくん先生の そこが知りたかった中毒診療(金芳堂)」、「@ER×ICU めざせギラギラ救急医(日本医事新報社)」など。※記事は個人としての発信であり、組織の意見を代表するものではありません。

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