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石田雅彦

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科学ジャーナリスト

報告

補足黄色ブドウ球菌は、細菌が産生する毒素による食中毒の代表的な原因菌で、傷口が化膿する原因になる病原体でもあります。黄色ブドウ球菌が食品中で増殖する際、腸管毒素(エンテロトキシン)や溶血毒(ヘモリジン)、TSST-1などの毒素を産生し、これらの毒素は自律神経や中枢神経を刺激し、嘔吐、下痢、腹痛、毒素性ショック症候群、赤血球の破壊などを引き起こします。 治療薬としてペニシリン系などいくつかの抗菌剤がありますが、薬剤耐性菌もあらわれつつあり、発症まで短時間(平均3時間)ということもあり、食中毒が疑われる場合には、すぐに医療機関を受診することが重要です。 食品取扱者らがマスクやキャップを着用する理由は、唾液などの飛沫やエアロゾルによる汚染を防ぐのと同時に、鼻や口元、顔、頭髪などに存在する黄色ブドウ球菌などの病原体に触れてしまい、それが食品などへ移って食中毒の原因になることを防ぐことにもあります。

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  • 薬師寺泰匡

    救急科専門医/薬師寺慈恵病院 院長

    解説黄色ブドウ球菌は毒素を産生し食中毒を起こします。毒素は熱に強いので、産生後に加熱をしても食中毒を起こ…続きを読む

コメンテータープロフィール

いしだまさひこ:北海道出身。法政大学経済学部卒業、横浜市立大学大学院医学研究科修士課程修了、医科学修士。近代映画社から独立後、醍醐味エンタープライズ(出版企画制作)設立。紙媒体の商業誌編集長などを経験。日本医学ジャーナリスト協会会員。水中遺物探索学会主宰。サイエンス系の単著に『恐竜大接近』(監修:小畠郁生)『遺伝子・ゲノム最前線』(監修:和田昭允)『ロボット・テクノロジーよ、日本を救え』など、人文系単著に『季節の実用語』『沈船「お宝」伝説』『おんな城主 井伊直虎』など、出版プロデュースに『料理の鉄人』『お化け屋敷で科学する!』『新型タバコの本当のリスク』(著者:田淵貴大)などがある。

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