補足いつでも気軽に買えるというハードルの低さは、不適切な服用、薬物による副作用、過量服薬につながらないかといった懸念はある。薬剤師との面談記録等をどのようにコンビニと共有していくかというのが課題である。例えば、薬剤師と一度面談をしたのち、方々のコンビニを周回して薬剤を集めるというような使い方は避けたい。そんなことしないだろうという意見もあるかもしれないが、そんなことをする方々を救急外来でよく見るので、ここは慎重さを求めたい。 もう一点気掛かりな点として、薬剤の在庫管理も薬剤師が行うのであろうか?一人の薬剤師と一つのコンビニを紐づけるやり方であれば、確実に夜間の利便性は落ちるだろう(薬剤師の体が持たない)。面談の利便性を保ちつつ、薬剤の管理体制を維持し、健康増進に寄与しようと思うと、かなり調整が難しいと考える。マイナカードを用いて、購入履歴を参照できたり、服薬歴を参照できる体制が望ましいのでは。
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コメンテータープロフィール
やくしじひろまさ/Yakushiji Hiromasa。救急科専門医。空気と水と米と酒と魚がおいしい富山で医学を学び、岸和田徳洲会病院、福岡徳洲会病院で救急医療に従事。2020年から家業の病院に勤務しつつ、岡山大学病院高度救命救急センターで救急医療にのめり込んでいる。ER診療全般、特に敗血症(感染症)、中毒、血管性浮腫の診療が得意。著書に「やっくん先生の そこが知りたかった中毒診療(金芳堂)」、「@ER×ICU めざせギラギラ救急医(日本医事新報社)」など。※記事は個人としての発信であり、組織の意見を代表するものではありません。