補足JR東日本本社によると、現在(2024年6月26日13時)東京消防庁の実況見分が行われているために火災の具体的な状況や原因は明らかになっていないとのとことでした。映像から筆者が状況を推測しますと、変電所とは飯田橋駅付近のJR東日本飯田町変電所でしょう。電気関係のケーブルとは、架線への送電用または信号・通信用の電線で、白煙が発生するとの火災の規模から直流1500Vと高圧の架線送電用の電線からではなく、直流または交流の24Vや100V程度の低圧の信号・通信用の電力ケーブルをネズミなどがかじって生じた漏電で燃えたのではないかと考えます。信号・通信用の電線は断線を確実に検知できるようあえて電圧を低めに設定し、代わりに電流を上げているので、トラブルが起きやすいとも言えるのです。運転再開は16時とのことで、飯田町変電所の周囲の変電所等からのバックアップ電力へと切り替えが済むタイミングと考えられます。
コメンテータープロフィール
1965(昭和40)年生まれ。大学卒業後、三井銀行(現在の三井住友銀行)に入行し、交友社月刊「鉄道ファン」編集部などを経て2000年に鉄道ジャーナリストとして活動を開始する。『新幹線を運行する技術』(SBクリエイティブ)、『JRは生き残れるのか』(洋泉社)、『電車たちの「第二の人生」』(交通新聞社)をはじめ著書多数。また、雑誌やWEB媒体への寄稿のほか、講義・講演やテレビ・ラジオ・新聞等での解説、コメントも行っており、NHKラジオ第1の「子ども科学電話相談」では鉄道部門の回答者も務める。2023(令和5)年より福岡市地下鉄経営戦略懇話会委員に就任。
