解説専業主婦の割合が少数となった現在において、第3号被保険者制度は次第に存在意義が少なくなっているといえます。ただし、出産、子育てや介護で就労が不可能なときにどうするのかについては検討が必要です。仮に、支払いが免除されたとしても、実質の年金額が減額されれば、将来の生活に響くことになります。ドイツやフランスなど欧州各国では、出産や育児の期間について保険料を納付した期間とみなすことで給付を保障する例もあるようで、そうした事例を参考にしつつ、制度改正を行なっていくことが望まれます。
コメンテータープロフィール
超高齢社会と未来研究をテーマに執筆、講演、リサーチなどの活動を行なう。元電通シニアプロジェクト代表、電通未来予測支援ラボファウンダー。国際長寿センター客員研究員、早稲田Life Redesign College(LRC)講師、宣伝会議講師。社会福祉士。著書に『超高齢社会の「困った」を減らす課題解決ビジネスの作り方』(翔泳社)『ショッピングモールの社会史』(彩流社)『超高齢社会マーケティング』(ダイヤモンド社)『団塊マーケティング』(電通)など多数。