中室牧子教授 “主婦年金”段階的廃止案に「全面的に賛成…古い時代の制度、働き手を増やすため」
教育経済学が専門の慶大・中室牧子教授が5日、テレビ朝日「大下容子ワイド!スクランブル」(月~金曜前10・25)に出演。経済同友会が2日、主婦やパート従業員らが保険料を負担せずに年金を受給できる「第3号被保険者制度」の段階的な廃止を求める政府への提言を発表したことに言及した。 会社員や公務員など自ら保険料を払う第2号被保険者などへの移行を促す。働きたい人が制約を受けずに働ける環境を整備し、公平な年金制度の構築につなげる、としている。 提言は、2号被保険者への移行で5年間の猶予を設け、その初年度から3号被保険者への新たな加入や適用を行わないことが柱。共働きの拡大や、働く意欲に応じた仕組みへの転換を進める狙い。 中室氏は、「私は、経団連の提言に全面的に賛成です」と言い、「理由は2つあって、1つは制度自体が非常に不公平なものなっている。例えば130万円以下の年収で夫が厚生年金に加入している場合は保険料を納めなくていいんですけれど、自分自身が独身で130万円以下の収入しかないという場合は第1号保険者として国民年金保険料を払わないといけないんです。それっておかしくないですか。要は経済的により安定している人の方が負担が少ないということになっている。最近は専業主婦が減ってきているということもあって、そうするとこの制度自体は明らかに前の時代というか古い時代の制度だということになるので、これを変えていかないといけないということだと思います」と述べた。 さらに「2つめの理由として、働き控えが起こっているということなので今、労働供給の問題があるからには働き手を増やすために、こういう働かないことがインセンティブになっているような仕組みというのは見直していく必要があると思う」とした。 そのうえで「ただ、こういう制度を前提にして人生設計してきた人がいるし、生活設計をしている人がいるので、ちゃんと一定の猶予期間をおいて移行していくということが必要だし、例えば自身が子供であるとか、あるいは介護があるとか、そういう自分で保険料を負担できない理由がある人には免除をするというような仕組みにすることで、ちゃんと制度を維持していくことができるのではと私は思います」と自身の考えを述べた。