見解スタジオジブリ作品がネット配信に乗ったのが初というわけではなく「最大手のNetflixで“日本を除き”全世界的に配信対象となった」ことに重きがあるニュースですが、英語圏での感想も日本の視聴者とほぼ同じであり、それゆえ山びこのように大きく反響しているのが興味深いところです。 「火垂るの墓」は高畑勲監督の徹底したリアリズム描写、思想を交えることなく(もちろん「見せる風景」に監督の思惑が入ってはいますが)観客に考えさせる作りだけに、日本に関する予備知識も不要で、国境を越えて視聴者の心に飛び込んだのでしょう。いまリアルタイムに「お茶の間から見る戦災」という不幸な事態が進行中だけに、浸透率も高くなっているのかもしれません。 しかし、映像・ゲームなど「日本を除き」は相変わらず解消されないままです。地域ごとの配信ビジネス絡みであり、受け手がどうしようもないのが歯がゆくてたまりませんね。
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コメンテータープロフィール
京都大学法学部大学院修士課程卒。著書に『宇宙政治の政治経済学』(宝島社)、『ガンダムと日本人』(文春新書)、『教養としてのゲーム史』(ちくま新書)、『PS3はなぜ失敗したのか』(晋遊舎)、共著に『超クソゲー2』『超アーケード』『超ファミコン』『PCエンジン大全』(以上、太田出版)、『ゲーム制作 現場の新戦略 企画と運営のノウハウ』(MdN)など。現在はGadget GateやGet Navi Web、TechnoEdgeで記事を執筆中。
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