提言箱ワナがクマ用だったのかシカ用だったのかわからないが、仮にシカがかかっていたら、そのシカを狙ってクマが寄ってくる場合もある。また罠の中の餌を気にしながらも警戒して罠に入らず周辺をうろつくクマもいるだろう。そこに罠の確認に近づけば襲われる可能性が高い。このような事態が発生したとなれば、罠が作動したかどうか、また罠にかかった動物が何かをICTで自動通報する装置を設置する必要は高まっている。(記事には死因の説明はないが、クマに襲われたのだろう。)
コメンテータープロフィール
日本唯一にして日本一の森林ジャーナリスト。自然の象徴の「森林」から人間社会を眺めたら新たな視点を得られるのではないか、という思いで活動中。森林、林業、そして山村をメインフィールドにしつつ、農業・水産業など一次産業、自然科学(主に生物系)研究の現場を扱う。自然と人間の交わるところに真の社会が見えてくる。著書に『鹿と日本人 野生との共生1000年の知恵』(築地書館)『絶望の林業』『虚構の森』(新泉社)『獣害列島』(イースト新書)など。Yahoo!ブックストアに『ゴルフ場に自然はあるか? つくられた「里山」の真実』。最新刊は明治の社会を揺り動かした林業界の巨人土倉庄三郎を描いた『山林王』(新泉社)。