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髙岡豊

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中東の専門家(こぶた総合研究所代表)

報告

解説総会決議が本当にパレスチナの加盟につながるか、パレスチナが国家としての権利義務を果たすことができるのかとは別問題です。アラブ諸国が採決を推進したそうで、一見各国の外交的勝利にも見えますが、イスラエルによる占領と資源の収奪、そして現下の破壊と殺戮を止めるため、アラブ諸国がすべきこと、できることはもっとあります。外交的な示威行動だけでは事態は改善しないでしょう。一方、採決の場でイスラエル大使が国連憲章をシュレッダーにかけるという示威行動をしたようですが、これを見てイスラエルに共感する人が増えるか、社会人(しかも外交官)の礼儀として適切かについてちゃんと考えることができない人たちがイスラエルの政府や外交機関の中枢部にいるからこそ、イスラエルは今般の紛争の「情報戦」で完敗ともいえる状況に陥っているのではないでしょうか。

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同じ記事に対する他のコメンテーターコメント

  • 川上泰徳

    中東ジャーナリスト

    見解国連総会がパレスチナ正式加盟を支持する決議を採択したことは、ハマスではなく、パレスチナ自治政府の正統…続きを読む

コメンテータープロフィール

髙岡豊

中東の専門家(こぶた総合研究所代表)

新潟県出身。早稲田大学教育学部 卒(1998年)、上智大学で博士号(地域研究)取得(2011年)。著書に『現代シリアの部族と政治・社会 : ユーフラテス河沿岸地域・ジャジーラ地域の部族の政治・社会的役割分析』三元社、『「イスラーム国」がわかる45のキーワード』明石書店、『「テロとの戦い」との闘い あるいはイスラーム過激派の変貌』東京外国語大学出版会、『シリア紛争と民兵』晃洋書房など。

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