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川上泰徳

川上泰徳

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中東ジャーナリスト

報告

見解国連総会がパレスチナ正式加盟を支持する決議を採択したことは、ハマスではなく、パレスチナ自治政府の正統性を高める意味を持つ。4月に国連安保理でパレスチナ加盟を勧告する決議案に米国が拒否権を行使して否決されたのを受けたもの。ガザでのイスラエルの非道ぶりがあってもイスラエル支持を続ける米国への圧力になるだろう。バイデン政権は米国内の反イスラエルの動きからイスラエルと距離を取ろうとし、ラファへの大規模侵攻があれば、イスラエルへの武器供与停止を表明し、さらに安保理で反イスラエルの決議案に拒否権を行使してきた政策の見直しもちらつかせているという。そうなればパレスチナ国連正式加盟は今後対象となるだろう。バイデンが副大統領だったオバマ大統領の時、ネタニヤフ首相の抵抗で公約とした中東和平進展を阻止されたが、政権最後の2016年、安保理でイスラエルの入植非難決議案に拒否権を使わず棄権し、採択されたことがある。

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同じ記事に対する他のコメンテーターコメント

  • 髙岡豊

    中東の専門家(こぶた総合研究所代表)

    解説総会決議が本当にパレスチナの加盟につながるか、パレスチナが国家としての権利義務を果たすことができるの…続きを読む

コメンテータープロフィール

元朝日新聞記者。カイロ、エルサレム、バグダッドなどに駐在し、パレスチナ紛争、イラク戦争、「アラブの春」などを現地取材。中東報道で2002年度ボーン・上田記念国際記者賞受賞。2015年からフリーランス。フリーになってベイルートのパレスチナ難民キャンプに通って取材したパレスチナ人のヒューマンストーリーを「シャティーラの記憶 パレスチナ難民キャンプの70年」(岩波書店)として刊行。他に「中東の現場を歩く」(合同出版)、「『イスラム国』はテロの元凶ではない」(集英社新書)、「戦争・革命・テロの連鎖 中東危機を読む」(彩流社)など。◇連絡先:kawakami.yasunori2016@gmail.com

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