見解民間人、社会資本、国際機関、報道機関への攻撃を正当化するためのイスラエルの大本営発表にどうお付き合いするか、という問題としての側面があります。紛争当事者が発信する情報はどれも「そういうもの」くらいに扱わないと分析や観察を誤ります。一方、これは紛争地での援助活動というより普遍的な問題とも深く関係します。紛争地で何か活動する場合、現地の有力者とそこそこ仲良くしなくては活動ができません。現地の有力者の側は、別に直接お金を物資を巻き上げるといった頭の悪いやり方でなくとも、援助活動から資源を吸い上げる方法がたくさんあります。また、パレスチナの場合、解放運動諸派が援助をの計画や実施の諸局面に深く関与していると思われます。特に、ハマースはこれまでガザ地区を与党として統治していたわけですから、国連機関をはじめとする援助団体との相互浸透について論じる場合、ここに留意すべきでしょう。
コメンテータープロフィール
新潟県出身。早稲田大学教育学部 卒(1998年)、上智大学で博士号(地域研究)取得(2011年)。著書に『現代シリアの部族と政治・社会 : ユーフラテス河沿岸地域・ジャジーラ地域の部族の政治・社会的役割分析』三元社、『「イスラーム国」がわかる45のキーワード』明石書店、『「テロとの戦い」との闘い あるいはイスラーム過激派の変貌』東京外国語大学出版会、『シリア紛争と民兵』晃洋書房など。
髙岡豊の最近の記事
髙岡豊の最近のコメント
アクセスランキング
- 1
まさかまさかの劣勢に絶句する自民党…落選危機にある大物議員リスト「調査から判明」
みんかぶマガジン - 2
清原正吾を「ピエロにしたくない」 なぜ指名漏れ…指導した元プロが語る3つの要因
Full-Count - 3
「上位3人遊撃手指名の巨人は最下位評価」元ヤクルト編成部長がドラフト成否を独自採点…「90点以上は楽天と中日。日ハム、ソフトは未来型で西武とヤクルトは戦術成功。阪神はユニーク挑戦」
RONSPO - 4
「THE TIME,」江藤愛アナ、生放送中に涙ポロポロ…杉山真也アナ「涙が止まりませんね」
スポーツ報知 - 5
FA目玉3選手、決断の行方…阪神・大山悠輔、ソフトB甲斐拓也、DeNA佐野恵太の去就は三者三様か
日刊ゲンダイDIGITAL