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髙岡豊

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中東の専門家(こぶた総合研究所代表)

報告

解説「見境なくやってる」との印象が先行しますが、イスラエル軍は1996年にも、2006年にもUNIFILやその関連施設を攻撃し、施設に避難した住民を多数殺傷しています。これまでの経験から言えることは、こうした行為は「短期間で片付ける」はずだったレバノンの作戦が当初の見通し通りに進んでおらず、その責任をUNIFILなどに転嫁する言動の一環であるということです。9月下旬からヒズブッラーの幹部「除去」などで華々しい戦果を上げたレバノンへの攻撃ですが、地上侵攻に関してはめぼしい進展がないようです。自陣営の「戦果」についてはどの当事者も「大本営発表」をしているに過ぎないので、こういう現場の展開や複眼的な観察によって実態を描写する作業が欠かせません。

コメンテータープロフィール

髙岡豊

中東の専門家(こぶた総合研究所代表)

新潟県出身。早稲田大学教育学部 卒(1998年)、上智大学で博士号(地域研究)取得(2011年)。著書に『現代シリアの部族と政治・社会 : ユーフラテス河沿岸地域・ジャジーラ地域の部族の政治・社会的役割分析』三元社、『「イスラーム国」がわかる45のキーワード』明石書店、『「テロとの戦い」との闘い あるいはイスラーム過激派の変貌』東京外国語大学出版会、『シリア紛争と民兵』晃洋書房など。

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