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髙岡豊

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中東の専門家(こぶた総合研究所代表)

報告

解説「アメリカとイラン」とか「中東情勢」とかの場面設定をしなくとも、イエメンにはもっと関心を払うべきです。また、イエメンの情勢を改善するためにもっと資源を投じるべきです。そのためには、当事者の片方を蔑称(=フーシ派。正式名称はアンサール・アッラー)で呼ぶのはやめた方がいいですし、彼らの属性を「親イラン」という一側面だけで規定するのも危険です。現時点では、それほど高価でない技術や装備で活動しているアンサール・アッラーに、アメリカとイギリスがものすごく高価な技術と装備で対応している状況です。戦力に劣る側はこのような消耗戦に引き込むことで勝機を見出そうとしますが、2015年にサウジなどがイエメンに干渉戦争を始めた時もこの戦術に見事にはまりました。アンサール・アッラーの活動を穏当な範囲に抑制するためにはイエメンの政治的権益の配分見直しは不可欠で、これが最も安価な対策となるのではないでしょうか。

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    在米ジャーナリスト

    補足外交政策において、トランプ氏をはじめとする保守派から弱腰と批判されてきたバイデン氏です。大統領選を控…続きを読む

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    上智大学総合グローバル学部教授

    補足英米としては「どこまで続けるか」が鍵。フーシ派が懲りて紅海での違法行為を行う意欲がなくなるまで、とい…続きを読む

コメンテータープロフィール

髙岡豊

中東の専門家(こぶた総合研究所代表)

新潟県出身。早稲田大学教育学部 卒(1998年)、上智大学で博士号(地域研究)取得(2011年)。著書に『現代シリアの部族と政治・社会 : ユーフラテス河沿岸地域・ジャジーラ地域の部族の政治・社会的役割分析』三元社、『「イスラーム国」がわかる45のキーワード』明石書店、『「テロとの戦い」との闘い あるいはイスラーム過激派の変貌』東京外国語大学出版会、『シリア紛争と民兵』晃洋書房など。

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