宗教上の理由で輸血を拒否する。聖書の言葉を文字通りにとらえて活動する「エホバの証人」の信者による行動と考えてよいかと思います。 ある元2世信者は「家族の中では、自由に自分の意思をいえる環境がない。もし輸血をすれば、親と一生口を聞けなくなる(忌避)。その環境で『輸血しない。わかっているよね』と親に言われてしまう。『輸血拒否カードをもらってきなさい』と言われて、わからないまま署名をさせられ持たされることもある」といいます。 記事では「ある病院は『重篤な疾患だったので(患者は)逝去された。小児は基本的に親の影響が強く、本人の意思がわからず、小児科医はじくじたる思いだった』」との言葉は、本当に重いと思います。 子供は怪我や事故にも遭いやすく、一刻も早い人命救助が必要になることも多いはずです。医師が迷わずに子供の命を優先させる医療をできるよう、国の側からも指針を示すことが必要だと考えます。
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コメンテータープロフィール
2001年~02年まで、誘われたらついていく雑誌連載を担当。潜入は100ヶ所以上。20年の取材経験から、あらゆる詐欺・悪質商法の実態に精通。「ついていったらこうなった」(彩図社)は番組化し、特番で第8弾まで放送。多数のテレビ番組に出演している。 旧統一教会の元信者だった経験をもとに、教団の問題だけでなく世の中で行われる騙しの手口をいち早く見抜き、被害防止のための講演、講座も行う。2017年~2018年に消費者庁「若者の消費者被害の心理的要因からの分析に係る検討会」の委員を務める。近著に『信じる者は、ダマされる。~元統一教会信者だから書けた「マインドコントロール」の手口』(清談社Publico)