医療は、医師から説明を受けた上での、患者の同意(インフォームド・コンセント)に基づくことが基本です。同意に反する医療は、結局はその患者の利益にはならず、憲法の保障する幸福追求権に由来する患者の権利に反するから、という考え方に基づきます。 判断能力が十分でない子どもの場合には、親の同意が原則です。もっとも、親が、親自身の信仰を理由にして子どもの医療を拒否した場合まで同じに考えてよいのかには疑問が残りますが、それでも、医師の判断のみで医療を行うことはできません。 ただし、記事にもあるように、厚生労働省は、こういった場合の医療拒否はネグレクトにあたるとの見解を示しています。具体的には、「宗教的輸血拒否に関するガイドライン」などに基づき、状況により、一時保護による緊急対応や児童相談所長による親権停止申立なども含めて、医療を受けられる方向での対応をするよう求めています。
同じ記事に対する他のコメンテーターコメント
コメンテータープロフィール
1969年愛知県生まれ。東京都立大学法学部卒業、博士(法学・東京都立大学)。専門は刑事法。近年は情報法や医事法にも研究対象を拡げている。著書として『放火罪の理論』(東京大学出版会・2004年)、『防犯カメラと刑事手続』(弘文堂・2012年)、『現代社会と実質的刑事法論』(成文堂・2023年)、『アメリカ刑法』(訳・レクシスネクシス・ジャパン・2008年)など。
アクセスランキング
- 1
あれ?藤田ニコル 披露宴でエスコートした父が意外な大俳優だった!「一緒に歩いてる時に胸がぎゅっと」実の父は3歳で離婚
デイリースポーツ - 2
【全文】「心が折れた」登録者448万人YouTuberメンバー長期活動休止発表「全く笑えなくなっちゃった」理由も吐露
デイリースポーツ - 3
伝説ヒット曲の5人組ロックバンド メンバー4人が1人を訴える泥沼訴訟劇告白 5年経て和解もわだかまり残す ファンは「1/3も伝わらない」
デイリースポーツ - 4
巨人 退団報告から異例の再契約へ 戦力外通告の直江大輔が1週間で復帰へ「ジャイアンツと再契約することになります」
デイリースポーツ - 5
田崎史郎氏「178万円は無理なんです。国民民主も分かっている」103万円からの引き上げ「その間で決着する」
デイリースポーツ