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千田有紀

千田有紀

認証済み

武蔵大学社会学部教授(社会学)

報告

見解以前週末の中華料理店の家族連れが、全く口を開くことなく、先に食べ終わったひとはゲームやスマホをいじっり、最初から最後までほぼ無言だったことに驚いたことがある。一緒にご飯を食べていても、団欒があるとは限らないのだ。 専業主婦とサラリーマンという夫婦形態であったなら、妻と一緒に、せめて妻の前でご飯を食べないのは失礼にあたるが、各々が自立して食べたいものを作るなら、取り立てて食事の時間を合わせる必要もないのかもしれない。食は人生の楽しみや健康の基本だからである。 同様に睡眠も、欧米では夫婦が別々の寝室は考えられないが、日本では別の夫婦も多くいるようである。睡眠は人生の多くの時間を占め、体調の回復に大切だからである。 こうした基本的な生活を共にしなくても、例えば週末の会食など、要所要所で心を通わせることのほうが、家族にとっては大切な時代がきたのかもしれない。

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コメンテータープロフィール

千田有紀

武蔵大学社会学部教授(社会学)

1968年生まれ。東京大学文学部社会学科卒業。東京外国語大学外国語学部准教授、コロンビア大学の客員研究員などを経て、 武蔵大学社会学部教授。専門は現代社会学。家族、ジェンダー、セクシュアリティ、格差、サブカルチャーなど対象は多岐にわたる。著作は『日本型近代家族―どこから来てどこへ行くのか』、『女性学/男性学』、共著に『ジェンダー論をつかむ』など多数。

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