見解よくイギリス王室のキャサリン妃が、そこそこのブランドの洋服を着てらして、感じが良い。佳子さまの3千円ほどのニットも、庶民から見れば好感を覚えるが、外交の場では不適切であるかとは思う。 公の場で皇室の方が着用される衣類はいわば、舞台衣装のようなものである。美智子さまが皇太子妃だった頃とは異なり、最近はかっちりとした、定番「皇室ファッション」というものがある。それから離れた私服がプチプラであるなら好感度が上がるように思うが、公務で安い服を着用されても、むしろ先方への失礼にならないかを含め、さまざまなことを考えてしまうひともいるのではないか。職場の服と割り切り、皇室ファッションを見せていただいたほうが安心する。 それにしても佳子さまのギリシア訪問報道が、若い女性であるにしても、衣装についてばかりで、正直言って食傷気味である。もう少し内実のある皇室報道を望みたい。
コメンテータープロフィール
1968年生まれ。東京大学文学部社会学科卒業。東京外国語大学外国語学部准教授、コロンビア大学の客員研究員などを経て、 武蔵大学社会学部教授。専門は現代社会学。家族、ジェンダー、セクシュアリティ、格差、サブカルチャーなど対象は多岐にわたる。著作は『日本型近代家族―どこから来てどこへ行くのか』、『女性学/男性学』、共著に『ジェンダー論をつかむ』など多数。
