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佐藤丙午

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拓殖大学国際学部教授/海外事情研究所所長

報告

朝鮮戦争の終戦宣言では、宣言後の関係国間の戦略的関係が重要になる。 朝鮮半島を法的な意味で平和状態にするのは理想的かもしれないが、日ロ関係のように、法的に和平条約がなくても関係を構築・深化させることは可能である。つまり、南北関係の進展は、相互の法的地位とは無関係ともいえる。 そうなると、これまで南北両国の発言を見る限り、宣言の目的は、戦争状態の下で構築された制度や関係性の存在理由の解消であると考えるのが合理的である。その制度等として、当然自衛隊や、日米安保条約が含まれることになるだろう。 このため、もし日本が終戦宣言を歓迎する条件があるとすれば、その宣言によって日本の安全保障が法制度的にも、政策運用的にも全く影響されないことを確実にする必要がある。さらに、終戦宣言後の韓国・北朝鮮の徹底的な軍縮も必要になるだろう。それを両国が満たしたときに、日本が宣言を歓迎する環境が生まれる。

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コメンテータープロフィール

佐藤丙午

拓殖大学国際学部教授/海外事情研究所所長

岡山県出身。一橋大学大学院修了(博士・法学)。防衛庁防衛研究所主任研究官(アメリカ研究担当)より拓殖大学海外事情研究所教授。専門は、国際関係論、安全保障、アメリカ政治、日米関係、軍備管理軍縮、防衛産業、安全保障貿易管理等。経済産業省産業構造審議会貿易経済協力分科会安全保障貿易管理小委員会委員、外務省核不拡散・核軍縮に関する有識者懇談会委員、防衛省防衛装備・技術移転に係る諸課題に関する検討会委員、日本原子力研究開発機構核不拡散科学技術フォーラム委員等を経験する。特定通常兵器使用禁止制限条約(CCW)の自律型致死兵器システム(LAWS)国連専門家会合パネルに日本代表団として参加。

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