解説このように固定残業代は「給料に下駄を履かせる」という機能があります。時間単価はたいして高くないのに、厚待遇に思わせるのです。また、固定残業代は長時間労働の温床にもなります。80時間まで払ってるのだからその分は働け、となりかねないのです。しかも、固定残業代というものにより、労働者が残業代は払われているものと錯覚し、本当はその固定残業代の想定時間より働いており不払いなのに、払われてると思わせる機能もあります。ですので、やたらに大きな固定残業代を支払う企業は警戒が必要となります。裁判例でも固定残業代はたびたび否定され、無効となっています。
同じ記事に対する他のコメンテーターコメント
コメンテータープロフィール
弁護士(東京弁護士会)。旬報法律事務所所属。日本労働弁護団幹事長(2022年11月に就任しました)。ブラック企業被害対策弁護団顧問(2021年11月に代表退任しました)。民事事件を中心に仕事をしています。労働事件は労働者側のみ。労働組合の顧問もやってますので、気軽にご相談ください! ここでは、労働問題に絡んだニュースや、一番身近な法律問題である「労働」について、できるだけ分かりやすく解説していきます!2021年3月、KADOKAWAから「武器としての労働法」を出版しました。