補足ゲームを統括する上で、ポイントはセットピースの成功率やブレイクダウンの優劣、ペナルティなど多岐に渡るが、キック再獲得に焦点を絞る。インプレーのキックには陣地獲得のロングキックと再獲得を狙うハイパント(高く蹴り上げるキック)やショートパント(スペースへ転がすキック)がある。ハイパントの再獲得率に着目すると両チーム合わせて36%(5/14)だった。 帝京大学が44%(4/9)、明治大学が20%(1/5)の数値から帝京大学がハイパントに強いことが分かる。また、明治大学側のハイパントからトライに結びつけるなど帝京大学は、キック後の対応にも優れていた。 キック戦術は相手のディフェンスを崩す手段の一つだが、キック処理やファンブルしたボールのリアクションが遅れたら最大のピンチになることを理解しなければならない。 決勝戦では、ディフェンス力のある両チームにおいて、キック後の対応力が鍵を握ると考えている。
コメンテータープロフィール
高校1年からラグビーを始め、若干2年で高校日本代表に選出される。東京高校では、攻撃の要である NO.8(ナンバーエイト)として活躍し、全国高等学校ラグビーフットボール大会(花園)へ初出場の立役者となる。明治大学時に全国大学ラグビー選手権に出場し優勝。4年時には主将を務める。2000年にサントリーに入社、一年目のシーズンからレギュラーを獲得し、「日本ラグビーフットボール選手権大会」連覇などタイトル獲得に貢献。2002年フランス1部リーグ・ USコロミエに海外移籍。フォワードとして日本人初のプロ契約選手となった。帰国後、プロ契約選手として、神戸製鋼、豊田自動織機などで活躍した。
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