「敵陣で戦う」帝京大がハーフタイムを経て見せた変化 大学ラグビー
◇全国大学ラグビー選手権・準決勝(2日・国立競技場) ◇○帝京大(関東対抗戦2位)34―26明治大(同3位)● 【写真】全国大学ラグビー準決勝 帝京大―明治大 前回大会の決勝と同一カードは、4連覇を狙う帝京大の試合巧者ぶりが、後半の立て直しに凝縮されていた。 一時は14―0とリードしながら、明大にスクラムやサイドへ展開する攻撃で主導権を握られ、2点差に迫られて前半を終えた。主将でフランカーの青木恵斗(4年)は「接点では勝っていたが、前半は自陣でラグビーをし過ぎていた。後半は敵陣で戦うことに集中した」とハーフタイムに修正を試みた。 後半4分。相手のハイパントキックを捕球して帝京大がマイボールにすると、FB小村真也(4年)が相手守備の隙間(すきま)を突いて敵陣に進入。バックス陣がパスをつなぎ、CTB上田倭士(2年)のトライで後半の先手を取った。 4分後にはラインアウトから接点の強さを前面に出し、ロックのカイサ・ダウナカマカマ(2年)がトライを挙げ、直後のゴールも成功。後半17分には3連続となるトライを挙げるなど、34―12まで突き放した。 試合終盤に点差を詰められたが、逃げ切るには十分だった。明大のSO伊藤龍之介(2年)は「自分たちは攻撃で前に出られない中で、向こうはすごく良い勢いで前に出てきた。帝京の一人一人のキャリーの強さなどから学ばないといけない」と脱帽した。 13日の決勝の相手、早大には昨年11月に17―48で完敗し、関東対抗戦の4連覇を阻まれている。青木は「勝つことにどれだけ貪欲になれるかと、一人一人が全力を出すことが日本一につながる」。最高の舞台で雪辱を果たし、王座を守れるか。【高野裕士】