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内田良

内田良

認証済み

名古屋大学大学院教育発達科学研究科・教授

報告

見解総じて内申書(調査書)は、「○○をする(しない)と内申に響く」といった表現で、ぼんやりした噂のようなかたちで生徒やその保護者を拘束してきた側面があります。これは内申書を作成する側の学校としてもけっして都合の悪いことではなく、そのような表現があることで、生徒の学業成績のみならず、出席や部活動参加などさまざまな側面を統制できるという効果がありました。 ただそれが、一方で生徒の一挙手一投足を拘束してきたこともたしかです。出欠記録の取り扱いなど内申書の見直しを積極的に進めると同時に、内申書には何が記載され、どの箇所がどの学校や入試形態にどれほど程度影響しうるものなのか、その点が生徒に明示される必要(言い換えると、内申書が影響を及ぼさない場面があり得ることを生徒に知ってもらう必要)があると私は考えます。

同じ記事に対する他のコメンテーターコメント

  • なかのかおり

    ジャーナリスト(福祉・医療・労働)、早稲田大研究所招聘研究員

    補足出欠状況が合否を左右しなければ、むしろ削除しなくて良いのではないでしょうか?例えば、無欠席だと評価さ…続きを読む

  • 石川一郎

    学校改革プロデューサー

    見解内申書から出欠記録を削除、の流れについて考えてみます まず、皆勤賞を卒業式で表彰してきたことからすれ…続きを読む

コメンテータープロフィール

内田良

名古屋大学大学院教育発達科学研究科・教授

学校リスク(校則、スポーツ傷害、組み体操事故、体罰、自殺、2分の1成人式、教員の部活動負担・長時間労働など)の事例やデータを収集し、隠れた実態を明らかにすべく、研究をおこなっています。また啓発活動として、教員研修等の場において直接に情報を提供しています。専門は教育社会学。博士(教育学)。ヤフーオーサーアワード2015受賞。消費者庁消費者安全調査委員会専門委員。著書に『ブラック部活動』(東洋館出版社)、『教育という病』(光文社新書)、『学校ハラスメント』(朝日新聞出版)など。■依頼等のご連絡はこちら:dada(at)dadala.net

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