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内田良

内田良

認証済み

名古屋大学大学院教育発達科学研究科・教授

報告

見解まずは生徒さんの命に別状なく、安心しました。 まだ詳細まではわかりませんが、部活動の構造的な問題として、指導者と場所の観点から検証すべき事案かもしれません。 まずは指導者についてです。記事によると顧問は、砲丸投げと陸上競技の経験はなかったとのこと。経験はなくとも専門性の高い指導者はいると思いますが、顧問が指導者としてどのようなトレーニングを積み、安全指導の方法を習得していたのか。 もう一つは場所についてです。記事では、活動場所の広さに関する情報はないので、続報を待ちたいと思いますが、一般に学校の部活動は、限られた場所で多くの部活動が同時に活動をおこないます。野球部のボールを見ながら陸上部がグラウンドを走るといったことが常態化しています。今回の事案で、生徒が安全に見学できるほどに場所にゆとりがあったのか。 部活動は「自主的な活動」に位置づけられるため、生徒の安全確保が後回しにされがちです。

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  • 前田恒彦

    元特捜部主任検事

    解説砲丸投げを含めて陸上競技の経験がないものの、これまで3年間にわたって陸上競技部で顧問を務めていた教諭…続きを読む

コメンテータープロフィール

内田良

名古屋大学大学院教育発達科学研究科・教授

学校リスク(校則、スポーツ傷害、組み体操事故、体罰、自殺、2分の1成人式、教員の部活動負担・長時間労働など)の事例やデータを収集し、隠れた実態を明らかにすべく、研究をおこなっています。また啓発活動として、教員研修等の場において直接に情報を提供しています。専門は教育社会学。博士(教育学)。ヤフーオーサーアワード2015受賞。消費者庁消費者安全調査委員会専門委員。著書に『ブラック部活動』(東洋館出版社)、『教育という病』(光文社新書)、『学校ハラスメント』(朝日新聞出版)など。■依頼等のご連絡はこちら:dada(at)dadala.net

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