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内田良

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名古屋大学大学院教育発達科学研究科・教授

報告

解説部活動の地域移行のなかで、とくに物理的な側面で移行が難しいとされるのが吹奏楽部です。 持ち運びが簡単ではない楽器も多いことから、活動拠点が学校の音楽室に固定化されがちです。また、グラウンドや体育館であれば、教室のある校舎とは切り離されているため、外部に開放しやすい(実際にこれまでも外部向けに開放してきたケースも多くあります)のですが、音楽室となるとそうもいきません。 記事の事例では、市民楽団が以前から学校に楽器を置いて活動拠点としてきた経緯があり、地域移行が円滑に進んだようです。 吹奏楽の地域移行では、市民楽団との連携の話題をいくつか耳にします。これまで一つの学校に閉じてきた吹奏楽部の活動が、地域住民との交流の場にもなっています。とくに市民楽団と3つの中学校で「はぎッズ・ウィンド・アンサンブル」を編成するに至ったのは、地域移行の未来を考えるうえで注目すべき展開だと思います。

コメンテータープロフィール

内田良

名古屋大学大学院教育発達科学研究科・教授

学校リスク(校則、スポーツ傷害、組み体操事故、体罰、自殺、2分の1成人式、教員の部活動負担・長時間労働など)の事例やデータを収集し、隠れた実態を明らかにすべく、研究をおこなっています。また啓発活動として、教員研修等の場において直接に情報を提供しています。専門は教育社会学。博士(教育学)。ヤフーオーサーアワード2015受賞。消費者庁消費者安全調査委員会専門委員。著書に『ブラック部活動』(東洋館出版社)、『教育という病』(光文社新書)、『学校ハラスメント』(朝日新聞出版)など。■依頼等のご連絡はこちら:dada(at)dadala.net

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