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内田良

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名古屋大学大学院教育発達科学研究科・教授

報告

見解これまで中高の部活動では、廊下を走ってトレーニングすることが常態化してきたように、安全管理がずさんななかで活動がおこなわれてきました。真夏に、授業は休みでも部活動はむしろ積極的に実施されているのも同様です。 授業は学校の正規の活動ですが、部活動は自主的な活動に位置づけられており、それゆえ安全な活動のための規制やリソース(活動場所、専門的な指導者など)がほとんど用意されてきませんでした。教科指導の専門家である教員は、本務外として部活動指導のスキルをあげていきます。 部活動では、教員のリスク(長時間労働)が話題になっていますが、生徒のリスク(事故や負荷)にも注目すべきでしょう(ただし今回は山岳部経験のない教員も亡くなっています)。今回の事案は、けっして個別の出来事として片付けてはならず、今日の部活動指導のあり方に一石を投じるものとして受け止めなければなりません。

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  • 前田恒彦

    元特捜部主任検事

    解説このケースは、素人同然の教師が片手間で部活指導をしていた事案と同列に評価することはできません。という…続きを読む

  • 鬼澤秀昌

    スクールロイヤー/BLP-Network代表

    提言本記事の最後に記載されている検察の主張と弁護人側の主張からすれば、予見可能性の有無が非常に大きな争点…続きを読む

コメンテータープロフィール

内田良

名古屋大学大学院教育発達科学研究科・教授

学校リスク(校則、スポーツ傷害、組み体操事故、体罰、自殺、2分の1成人式、教員の部活動負担・長時間労働など)の事例やデータを収集し、隠れた実態を明らかにすべく、研究をおこなっています。また啓発活動として、教員研修等の場において直接に情報を提供しています。専門は教育社会学。博士(教育学)。ヤフーオーサーアワード2015受賞。消費者庁消費者安全調査委員会専門委員。著書に『ブラック部活動』(東洋館出版社)、『教育という病』(光文社新書)、『学校ハラスメント』(朝日新聞出版)など。■依頼等のご連絡はこちら:dada(at)dadala.net

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