見解なぜ12人も役職を与えてしまったのか。答えは、先の衆院選で想定以上に議席を失ったことによる人材難です。不記載議員を政府のいわゆる三役(大臣、副大臣、政務官)に就けることは当然できず、衆議院などの委員長ポストも同様に野党の反発が厳しいでしょう。その一方で党役員人事はあくまで党内のポストなので、これらの批判が少ないとの観点があります。 さらに党内ポストとはいえ、当選回次など参考にしなければならないという慣習も影響しているといえます。一方で「適材適所」というのならば、若手議員でも十分に党内で活躍する場所はあるはずでしょうし、その点がどうだったのかは疑問の残るところです。 党内の理論で言えばわずか12人という感覚なのでしょうが、こういった党内の理論で人事をしたことが、今回の衆院選での厳しい結果に繋がっているという認識を持つべきです。
コメンテータープロフィール
1988年生まれ。青山学院高等部卒業、青山学院大学経営学部中退。2010年に選挙コンサルティングのジャッグジャパン株式会社を設立、現在代表取締役。不偏不党の選挙コンサルタントとして衆参国政選挙や首長・地方議会議員選挙をはじめ、日本全国の選挙に政党党派問わず関わるほか、政治活動を支援するクラウド型名簿地図アプリサービスの提供や、「選挙を科学する」をテーマとした研究・講演・寄稿等を行う。『都道府県別新型コロナウイルス感染者数マップ』で2020年度地理情報システム学会賞(実践部門)受賞。2021年度経営情報学会代議員。