立憲民主党代表選今日告示、53名の議員動向判明
立憲民主党代表選は今日告示日を迎えました。野田佳彦元首相、枝野幸男前代表、泉健太代表の3名が立候補を予定しているほか、江田憲司衆議院議員、吉田晴美衆議院議員も立候補を最後まで模索していると報じられています。
筆者は、自民党総裁選と同様、立憲民主党所属国会議員の代表選における支持候補者の情勢を探るため、議員本人のホームページやSNS、YouTubeなどのコメントをはじめ、全国紙やテレビ、地方テレビ局や地方紙への意向表明を可能な限りモニタリングして、これらの情報を情報源のリンク付きでGoogleスプレッドシート「立憲民主党代表選2024 議員票動向」にまとめています。このスプレッドシートで公開している情報はいずれも信頼できる情報源をもとに公開されている情報を集約する「オープンソース・インテリジェンス」の手法でまとめているもので、誰でも、そのソース(情報源)を確かめることができます。
野田氏・枝野氏・泉氏の評価
現時点では、野田氏が大きくリードしています。野田氏を普段から支えるメンバーのみならず、グループや当選回数を横断して支持を広げているとみられます。安倍元首相追悼演説での評価など、無党派層からも相応の支持があるとみられる野田氏であれば、保守層にも一定の支持を狙えるとの見方から、総選挙を意識した若手議員の支持も集めているとの声も聞かれます。一方、野田氏の訴える「中道保守」路線は共産党との選挙協力を解消する方向とも聞こえ、その点を憂慮する声も党内にあります。
枝野氏は地元埼玉県やサンクチュアリの支持を固めつつ、さらに支持を広げているとみられます。東日本大震災の際におけるハッシュタグ「#枝野寝ろ」に代表されるように、実務者のイメージがあるとの評価があり、また前回(49回)総選挙では代表として立憲民主党を率いたことから、再登板を願う声も一部ではあります。但し自身の選挙区(埼玉5区)では自民党の牧原秀樹議員に約6000票差まで迫られていることを心配する声もあります。
泉氏はこれまでの党代表としての信任が問われることとなります。直近の衆議院議員補欠選挙では野党が全勝するなど、党勢が悪いとはいえませんし、比較的若手の野党第一党代表として論戦を繰り広げてきました。ここまで大きな失点もない一方で、政党支持率は低迷しており、自民党や岸田内閣の支持率低下も「敵失」との見方が強く、党勢回復のために代表交代が必要との声も聞かれます。
支部長票や地方議員票・党員票にも注目
立憲民主党代表選は、国会議員票にくわえて、公認候補予定者、地方議員、党員にもそれぞれ選挙権があります。それぞれ票のウェイトは異なりますが、自民党総裁選と異なり、公認候補予定者や地方議員にも投票権があることから、出馬のハードル(国会議員推薦人20名)を確保できれば、公認候補予定者や地方議員を固めていくのが代表選のセオリーです。野田氏・枝野氏の政治スタンスや(総選挙で描く)選挙戦略の差異などが、有権者の投票判断の分かれ目になるとみられます。