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西山隆行

西山隆行

認証済み

成蹊大学法学部政治学科教授

報告

見解米大統領選の第一回候補者討論会は、民主党にとって大参事でした。トランプは虚偽の発言をしたり、司会者の質問にまともに答えていませんが、(いつものことなので)大きな痛手になりそうになく、個々の発言を短く切り取って別のニュース番組で使おうと思うと使いやすいところもたくさんありました。他方、バイデンは高齢批判を覆す必要があったにもかかわらず、声も弱弱しくガラガラ声で、目線もカメラに向いていませんでした。今回の討論会の仕組みはトランプに不利と言われていましたが、むしろバイデンらしさが消える結果になったという印象を受けました。バイデンで大丈夫か?という不安の声が強まり、これまでならば「翌月の討論会で盛り返そう」ということになっていたのでしょうが、今回は次の討論は数か月先です。 民主党内で他の候補を擁立できないかという声もあるようですが、ハリスの評判が良くないこともあり、なかなか容易ではなさそうです。

同じ記事に対する他のコメンテーターコメント

  • 三牧聖子

    同志社大学大学院グローバル・スタディーズ研究科准教授

    解説CNNによれば、討論会直後の調査で、75%の民主党支持者が、バイデン以外の候補を求めたという。 討…続きを読む

  • 飯塚真紀子

    在米ジャーナリスト

    補足バイデン氏は討論会で懸念されている高齢問題を払拭する必要がありましたが、力強さと自信をみなぎらせたト…続きを読む

コメンテータープロフィール

西山隆行

成蹊大学法学部政治学科教授

専門は比較政治・アメリカ政治。東京大学大学院法学政治学研究科博士課程修了、博士(法学)。主要著書に、『〈犯罪大国アメリカ〉のいま:分断する社会と銃・薬物・移民』(弘文堂、2021年)、『格差と分断のアメリカ』(東京堂出版、2020年)、『アメリカ政治入門』(東京大学出版会、2018年)、『アメリカ政治講義』(ちくま新書、2018年)、『移民大国アメリカ』(ちくま新書、2016年)、『アメリカ型福祉国家と都市政治―ニューヨーク市におけるアーバン・リベラリズムの展開』(東京大学出版会、2008年)などがある。

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