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六辻彰二

六辻彰二

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国際政治学者

報告

見解この合意の最大の焦点は、イスラエルの合意と履行にある。 1週間前、イスラエルメディアの取材を受けたネタニヤフ首相自身は合意を「不完全」、「イスラエルは合意している」というアメリカ政府の主張を「不正確」と述べた。 これがユダヤ教保守派などに配慮した国内向けの建前だった可能性は否定できないものの、ネタニヤフが“うんざりしたアメリカ”と“あくまでガザ制圧を望む支持基盤”の板ばさみになっていることはほぼ確実だ。 バイデンは批判の高まるガザ侵攻と心中するつもりはなく、大統領選挙までには決着をつけたいところだろう。 一方、イスラエルでも人質解放などの実績で評価されたガンツ大臣が「ネタニヤフは政治を優先させている」と批判して政権を去り、選挙の実施を求めるなど政権批判が高まっていて、ネタニヤフはこれまで以上に支持基盤に顔を向けざるを得なくなっている。 こうした国内事情はガザ停戦の実現を左右するとみられる。

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コメンテータープロフィール

博士(国際関係)。横浜市立大学、明治学院大学、拓殖大学などで教鞭をとる。アフリカをメインフィールドに、国際情勢を幅広く調査・研究中。最新刊に『終わりなき戦争紛争の100年史』(さくら舎)。その他、『21世紀の中東・アフリカ世界』(芦書房)、『世界の独裁者』(幻冬社)、『イスラム 敵の論理 味方の理由』(さくら舎)、『日本の「水」が危ない』(ベストセラーズ)など。

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