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六辻彰二

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国際政治学者

報告

見解ネタニヤフ首相を含むイスラエル首脳にも逮捕状を請求したこと自体にICCの変化がうかがえる。 ICCには相手が(諸条件が整えば)国家元首であっても人道に対する罪などで逮捕状を発行できるが、その運用には政治的配慮が鮮明だった。 ICCはウクライナ侵攻をめぐってプーチン大統領にも逮捕状を発行したが、それを除けばこれまでに逮捕状が発行されたのは、スーダンのバシール元大統領などアフリカ人がほとんどで、イラク侵攻などでの欧米の軍事活動はほぼ触れられなかった。 アメリカが独自の安全保障政策への影響を恐れてICCに加盟しないことも、グローバルサウスから見れば一貫性を欠くものだ。 そのため途上国にはICCを「白人裁判所」と揶揄・批判する意見が目立つ。 こうしたなかでICCがネタニヤフの逮捕状にまで踏み込んだことは、それだけイスラエル、さらにそれを熱心に支援する米英への批判が高まっていることを示唆する。

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同じ記事に対する他のコメンテーターコメント

  • 志葉玲

    フリージャーナリスト(環境、人権、戦争と平和)

    解説今回、イスラエルは、病院や避難所である国連管理の学校等を執拗に攻撃し、民間人や医療従事者を殺害するな…続きを読む

  • 三牧聖子

    同志社大学大学院グローバル・スタディーズ研究科准教授

    解説アメリカ政府は、今回ICCがハマス幹部のみならず、ネタニヤフ首相らイスラエル側にも逮捕状を請求したこ…続きを読む

コメンテータープロフィール

博士(国際関係)。横浜市立大学、明治学院大学、拓殖大学などで教鞭をとる。アフリカをメインフィールドに、国際情勢を幅広く調査・研究中。最新刊に『終わりなき戦争紛争の100年史』(さくら舎)。その他、『21世紀の中東・アフリカ世界』(芦書房)、『世界の独裁者』(幻冬社)、『イスラム 敵の論理 味方の理由』(さくら舎)、『日本の「水」が危ない』(ベストセラーズ)など。

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