Yahoo!ニュース

六辻彰二

六辻彰二認証済み

認証済み

国際政治学者

報告

補足中国軍事企業の指定は、そのまま輸出規制や取引禁止を意味するものではなく、シンボリックな意味合いの方が強い。 ただし、これが進めば本格的な制裁対象になる、しかもそれはトランプ次期大統領のもと、今後さらに増えると見込まれる。 基本的にどの国でも民間の先端技術産業と政府・軍は結びつきを強めているが、中国はとりわけその傾向が鮮明で、これまでに民生ドローン分野で世界最大手のDJIや、リチウムイオンバッテリー大手CATLなども「軍事企業」リストに加えられたことは、その裾野の広さを物語る。 これらの企業との取引に対するブレーキは安全保障上の懸念だけでなく、アメリカで高まる国内産業保護の動きとも連動している。CATLをリストに加えることは同業のフェードによる働きかけが強く作用した。 つまりハイテク製品市場をめぐる貿易戦争の一環であるため、今後日本を含む同盟国が判断を迫られる機会は増えると見込まれる。

同じ記事に対する他のコメンテーターコメント

  • 浦上早苗

    経済ジャーナリスト/法政大学MBA実務家講師

    見解テンセントは世界最大のゲーム企業でもあり、傘下に多数の米国、日本企業を抱えています。 トランプ前政権…続きを読む

コメンテータープロフィール

博士(国際関係)。横浜市立大学、明治学院大学、拓殖大学などで教鞭をとる。アフリカをメインフィールドに、国際情勢を幅広く調査・研究中。最新刊に『終わりなき戦争紛争の100年史』(さくら舎)。その他、『21世紀の中東・アフリカ世界』(芦書房)、『世界の独裁者』(幻冬社)、『イスラム 敵の論理 味方の理由』(さくら舎)、『日本の「水」が危ない』(ベストセラーズ)など。

六辻彰二の最近のコメント