補足「高橋」の「高」と「はしご高」、渡辺の「辺」「邊」「邉」などは、同じ漢字の旧字体や異体字なので、漢字の意味的にも同じです。 一方「さいとう」の場合、「斎」と「齋」、「斉」と「齊」はそれぞれ新旧関係ですが、「斎」と「斉」は別の漢字で、「斎」の読みが「サイ」なのに対し、「斉」読みは本来「セイ」です(一斉に、とか)。ただし、戸籍作成時の書き間違いというわけでもなく、古くから「斉」(齊)で代用されてきました。 因みに、「さいとう」は「斎宮寮の藤原氏」という意味で、「斎藤」(齋藤)が本来の書き方です。また分布も違い、東日本では「斎藤」が多く、西日本では「斉藤」が多くなっています。
コメンテータープロフィール
1961年高知県生まれ。早稲田大学政経学部在学中から独学で名字の研究をはじめる。長い歴史をもち、不明なことも多い名字の世界を、歴史学や地名学、民俗学などさまざまな分野からの多角的なアプローチで追求し、文献だけにとらわれない研究を続けている。著書は「全国名字大辞典」「日本名門・名家大辞典」「47都道府県・名字百科」など多数。2017年から5年間NHK「日本人のおなまえ」にレギュラー出演。
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