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宮本聖二

宮本聖二

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立教大学 特任教授 / 日本ファクトチェックセンター副編集長

報告

補足映画「オッペンハイマー」では、核の扉を開いたことを悔いる一人の科学者を描いた映画でした。膨大なエネルギーの放出の破壊力を知っていたオッペンハイマーは、熱線と爆風が何をもたらすかは知っていました。 戦後彼がどのような感情を人前で露わにしたのかはほとんど伝えられていませんでした。涙を流し謝罪を繰り返したことが明らかになったことは驚きでした。 アメリカは、戦後すぐ広島、長崎をはじめ空襲被害を記録する戦略爆撃調査団を派遣、黒澤明の姿三四郎などの撮影監督を務めた三村明が、その技術を駆使して原爆が何をもたらしたのかを記録しました。 オッペンハイマーは数十万の生身の人間の頭上で炸裂させて地獄を現出させたことをその映像ではっきりと確認したはずです。 原爆投下から79年、新たな証言や記録が今も出てきます。それらを積み上げて、世界規模の戦争の危機にある今核兵器の放棄、廃絶に向けて議論が進むことを期待します。

同じ記事に対する他のコメンテーターコメント

  • 三牧聖子

    同志社大学大学院グローバル・スタディーズ研究科准教授

    解説貴重な映像資料と証言だ。オッペンハイマーが、自身が開発に携わった原爆の投下をどのように受け止めていた…続きを読む

コメンテータープロフィール

宮本聖二

立教大学 特任教授 / 日本ファクトチェックセンター副編集長

早稲田大学法学部卒業後NHK入社 沖縄放送局で沖縄戦や基地問題のドキュメンタリーなどを制作。アジアセンター、報道局チーフプロデューサーをへて、「戦争証言プロジェクト」・「東日本大震災証言プロジェクト」編集責任者として番組とデジタルアーカイブを連携させる取り組みで、第37回、39回の放送文化基金賞受賞。その後、Yahoo!ニュースプロデューサーとして全国の戦争体験を収集する「未来に残す戦争の記憶」の制作にあたる。2023年から日本ファクトチェックセンター副編集長として、ファクトチェックとリテラシー教育に取り組む。立教大学大学院 特任教授 デジタルアーカイブ学会理事 及び 地域アーカイブ部会会長

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