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松岡宗嗣

松岡宗嗣

認証済み

一般社団法人fair代表理事

報告

見解家族としての実態があり、双方が認知を望んでいるのに親子として認められない、という二審までの判断はあまりに理不尽なものでした。 今回の最高裁判決は、「形」ではなく、血縁や生活実態、子の福祉を尊重した当然の判断と言えると思います。すでに長女については認知が認められていて、長女と次女で親子関係に差があるという不平等の解消という点からも評価すべき判決だと考えます。 近年、性的マイノリティの人権擁護に関して、司法の前向きな判断が続いています。これは性的マイノリティの権利保障を阻む政治の現状に対する司法の問題提起と言えるでしょう。 トランスジェンダーの人々が、法律上の性別を変更する際の要件のひとつに「未成年の子どもがいないこと」があります。こうした要件があるのは日本だけと言われており、トランスジェンダーの人権、そして子どもの福祉の観点からも非常に大きな問題です。早急な撤廃が必要だと考えます。

コメンテータープロフィール

愛知県名古屋市生まれ。政策や法制度を中心とした性的マイノリティに関する情報を発信する一般社団法人fair代表理事。ゲイであることをオープンにしながら、GQやHuffPost、現代ビジネス等で多様なジェンダー・セクシュアリティに関する記事を執筆。教育機関や企業、自治体等での研修・講演実績多数。著書に『あいつゲイだって - アウティングはなぜ問題なのか?』(柏書房)、共著『LGBTとハラスメント』(集英社新書)など

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