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前田恒彦

前田恒彦

認証済み

元特捜部主任検事

報告

解説厚労省の担当者は「国から通知を出すまでもなく、性別に関わらず性的な行為は風紀を乱すもの。問題が起きているなら自治体はしっかり対応すべきだ」と述べていますが、これでは何の解決にもなりません。 公衆浴場法で「風紀」に必要な措置を講じることが義務付けられているのは銭湯やヘルスセンターなどの営業者であり、利用客ではないからです。一方、利用客に課される義務は浴そう内を著しく不潔にしないといった衛生面への配慮に限られ、違反しても刑罰は拘留または科料であり、軽犯罪法違反と同レベルです。 1948年に制定された公衆浴場法は、男湯で男性客同士が性的行為に及ぶとか、ネットで出会いの場にされる事態を想定しておらず、時代の流れに追いついていない面もあります。厚労省も自治体や営業者に丸投げせず、法改正によって利用客にも風紀を乱さないといった法的義務を負わせるとともに、厳罰化することも検討してしかるべきでしょう。

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  • 京師美佳

    防犯アドバイザー/犯罪予知アナリスト

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コメンテータープロフィール

1996年の検事任官後、約15年間の現職中、大阪・東京地検特捜部に合計約9年間在籍。ハンナン事件や福島県知事事件、朝鮮総聯ビル詐欺事件、防衛汚職事件、陸山会事件などで主要な被疑者の取調べを担当したほか、西村眞悟弁護士法違反事件、NOVA積立金横領事件、小室哲哉詐欺事件、厚労省虚偽証明書事件などで主任検事を務める。刑事司法に関する解説や主張を独自の視点で発信中。

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