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前田恒彦

前田恒彦認証済み

認証済み

元特捜部主任検事

報告

解説詐欺罪の成否を検討する上では勤務実態の有無が重要となります。実際には名義貸しであり、高額な秘書給与に見合う仕事などしておらず、送迎なども「働いている」と見せかけるための偽装工作にすぎなかったのであれば、計画的で巧妙な秘書給与詐欺と判断されるでしょう。 公設秘書は国会議員の秘書ではあるものの、私設秘書と異なり、給与が国から支払われ、その身分も特別職の国家公務員です。だからこそ、秘書給与詐欺は、たとえ数百万円単位であっても、立件に値する悪質な事件ということになるわけです。 広瀬議員の指示に基づき、公設第一秘書の妻が公設第二秘書として名義を貸し、勤務実態がないのに秘書給与を受け取った上で、第一秘書が口座から出金し、広瀬議員に手渡していたとみられていますが、偽装工作を含めて誰の助言に基づく犯行なのか、他の議員にも同様の不正に及んでいる者がいるのではないのか、深堀りした徹底捜査が求められます。

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同じ記事に対する他のコメンテーターコメント

  • 多田文明

    詐欺・悪徳商法に詳しいジャーナリスト

    解説記事にあるように、広瀬議員が「やっぱり違法なことだから」などとLINEでメッセージを送り、公設秘書の…続きを読む

  • 鈴木崇弘

    政策研究者、PHP総研特任フェロー

    見解このような行為は、これまでに何人もの議員等が行ってきた。政治にカネがかることからの方便かもしれないが…続きを読む

コメンテータープロフィール

1996年の検事任官後、約15年間の現職中、大阪・東京地検特捜部に合計約9年間在籍。ハンナン事件や福島県知事事件、朝鮮総聯ビル詐欺事件、防衛汚職事件、陸山会事件などで主要な被疑者の取調べを担当したほか、西村眞悟弁護士法違反事件、NOVA積立金横領事件、小室哲哉詐欺事件、厚労省虚偽証明書事件などで主任検事を務める。刑事司法に関する解説や主張を独自の視点で発信中。

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