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今野晴貴

今野晴貴

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NPO法人POSSE代表。雇用・労働政策研究者。

報告

提言教育現場の精神疾患の蔓延や休職者の拡大には歯止めがかかっていない。昨年末に文部科学省が出した調査では、うつ病等の精神疾患で休職した公立学校の教員は1割余り増え、6539人となったことが明らかとなっている。調査を始めた1979年以降初めて6000人を超え過去最多を更新した。この惨状の原因は、日本の教員が担う業務の「無限定性」にあるだろう。日本の教員は、本分である授業以外の事務作業や「対処困難な児童」のケアなどを際限なく担い過重労働に陥っている。一方、諸外国では、教員は原則として授業以外の業務はせず、その他の業務は専門の事務員やカウンセラー等が担うなどし仕事の範囲が明確となっており、過重労働の抑制もなされている。日本の現状を変えていくためには、教員が担うべき業務範囲の明確化と、それによって外れる業務を担う専門職員の人員拡充を抜本的に行うことなどが急務ではないか。

同じ記事に対する他のコメンテーターコメント

  • 石川一郎

    学校改革プロデューサー

    見解公立高校の教職員の方々のお話を伺うと、さもありなん、と思います 「先がまったくみえない」 が一言率直…続きを読む

コメンテータープロフィール

今野晴貴

NPO法人POSSE代表。雇用・労働政策研究者。

NPO法人「POSSE」代表。年間5000件以上の労働・生活相談に関わり、労働・福祉政策について研究・提言している。近著に『賃労働の系譜学 フォーディズムからデジタル封建制へ』(青土社)。その他に『ストライキ2.0』(集英社新書)、『ブラック企業』(文春新書)、『ブラックバイト』(岩波新書)、『生活保護』(ちくま新書)など多数。流行語大賞トップ10(「ブラック企業」)、大佛次郎論壇賞、日本労働社会学会奨励賞などを受賞。一橋大学大学院社会学研究科博士後期課程修了。博士(社会学)。専門社会調査士。

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