見解今日の「おむすび」は浜崎あゆみさんの楽曲を使って、登場人物たちの心情を見事に表現していました。なつかしのヒット曲を使用すると、それを聞いていた視聴者たちの思い出や心情を伴って感動が増幅します。 リアルサウンドの記事の注目すべき点は、「阪神・淡路大震災が起きたのは1995年1月17日、そして安室がブレイクするきっかけとなった「TRY ME ~私を信じて~」の発売は約1週間後の1月25日」と安室奈美恵さんの歴史を紐解き、物語とつなげていることです。真紀ちゃんというキャラクターが先見の明のある、センスのいい人物で、生きていれば安室さんの活躍を楽しめたと思うとますます悲しみが募ります。 ドラマのなかで言及しなくても、実際の楽曲を出すことで時代性が表現できています。今後も音楽がうまく活用されていくのか、楽しみなところです。
コメンテータープロフィール
角川書店(現KADOKAWA)で書籍編集、TBSドラマのウェブディレクター、映画や演劇のパンフレット編集などの経験を生かし、ドラマ、映画、演劇、アニメ、漫画など文化、芸術、娯楽に関する原稿、ノベライズなどを手がける。日本ペンクラブ会員。 著書『ネットと朝ドラ』『みんなの朝ドラ』『ケイゾク、SPEC、カイドク』『挑戦者たち トップアクターズ・ルポルタージュ』、ノベライズ『連続テレビ小説 なつぞら』『小説嵐電』『ちょっと思い出しただけ』『大河ドラマ どうする家康』ほか、『堤幸彦 堤っ』『庵野秀明のフタリシバイ』『蜷川幸雄 身体的物語論』の企画構成、『宮村優子 アスカライソジ」構成などがある