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川上泰徳

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中東ジャーナリスト

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見解記事はまるでイスラエルの言い分を書いているかのようだ。国連安保理はレバノン情勢の緊急協議であり、イスラエルがレバノン国内のヒズボラ地域を空爆し、民間人を含む死者500人以上が出て、悪化する懸念が前提にある。国連安保理で「緊張緩和を求める声が相次いだ」という下りの後に、文末にあるイスラエルの攻撃を「侵略」「主権侵害」と非難するレバノンの主張が先に出るべきだが、まずイスラエルの国連大使が「脅威を無力化するために、必要なあらゆる手段を講じる」と攻撃を正当性する主張が出てくるのはイスラエルメディアのようだ。イスラエルとヒズボラの「攻撃の応酬」と書くが、今回の状況悪化は先週、モサドによると見られるヒズボラ通信機器の一斉爆破やその後のベイルート空爆も含めて、イスラエル側が準備していた攻撃を仕掛けたもので、死者は一方的にレバノン側で出ている。隣国を攻撃する、イスラエルの言い分をいれるとしても最後でいい。

同じ記事に対する他のコメンテーターコメント

  • 鈴木一人

    東京大学教授/地経学研究所長

    解説決議ではなく、共同声明になったということは、アメリカが拒否権を使うことを示唆した、と言うことなのだろ…続きを読む

コメンテータープロフィール

元朝日新聞記者。カイロ、エルサレム、バグダッドなどに駐在し、パレスチナ紛争、イラク戦争、「アラブの春」などを現地取材。中東報道で2002年度ボーン・上田記念国際記者賞受賞。2015年からフリーランス。フリーになってベイルートのパレスチナ難民キャンプに通って取材したパレスチナ人のヒューマンストーリーを「シャティーラの記憶 パレスチナ難民キャンプの70年」(岩波書店)として刊行。他に「中東の現場を歩く」(合同出版)、「『イスラム国』はテロの元凶ではない」(集英社新書)、「戦争・革命・テロの連鎖 中東危機を読む」(彩流社)など。◇連絡先:kawakami.yasunori2016@gmail.com

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