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川上泰徳

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中東ジャーナリスト

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見解イスラエル軍のガザ攻撃で4200万トン以上の瓦礫が出るという国連の7月の発表をもとに瓦礫撤去の問題点をまとめた記事だが、東日本大震災で13道県で出た災害廃棄物(瓦礫)の総量約2,000万トンの2倍以上の瓦礫が出ることについて、「戦争犯罪」とみなされているイスラエル軍の無差別攻撃の問題に言及していないのは奇妙というしかない。元のロイター記事には「22万7,591戸の住宅が損傷」の数字があるが、この翻訳にはそれも出ていない。「イ軍は民間人に危害が及ぶことは避けようとしているが、ハマス戦闘員は民間人の中に紛れている」とイ軍の言い分だけで済む話ではない。代わりに、イ軍の占領地の文民政策担当機関から「廃棄物処理で国連と協力する」と前向きのコメントが出ているのも違和感がある。そもそも国連の瓦礫撤去計画では、ガザの保健省と国連・国際NGOが実施主体であり、イスラエルが瓦礫撤去に関わるわけではない。

コメンテータープロフィール

元朝日新聞記者。カイロ、エルサレム、バグダッドなどに駐在し、パレスチナ紛争、イラク戦争、「アラブの春」などを現地取材。中東報道で2002年度ボーン・上田記念国際記者賞受賞。2015年からフリーランス。フリーになってベイルートのパレスチナ難民キャンプに通って取材したパレスチナ人のヒューマンストーリーを「シャティーラの記憶 パレスチナ難民キャンプの70年」(岩波書店)として刊行。他に「中東の現場を歩く」(合同出版)、「『イスラム国』はテロの元凶ではない」(集英社新書)、「戦争・革命・テロの連鎖 中東危機を読む」(彩流社)など。◇連絡先:kawakami.yasunori2016@gmail.com

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