見解ガザ戦争後のガザ統治を巡って、中国仲介でガザを支配するハマスとヨルダン川西岸を支配するファタハを含む統一政府樹立で合意した意味は大きい。戦後ガザ統治では米国はハマス抜きで自治政府主導の統治を唱え、イスラエルはイスラエル軍支配下で自治政府でもハマスでもない、パレスチナ人による統治を志向しているようだが、パレスチナ人多数がハマス復権を支持している以上、ハマス抜きのガザ統治は、自治政府主導であれ、新たなパレスチナ人統治であれ、実効性に乏しい。その意味で、ハマスとファタハを含む統一政府という枠組みがパレスチナ側の意思として示されたことには意義がある。中国による中東外交への関与は2023年3月のイラン・サウジアラビアの和解に次ぐものであり、どれほど中国が中東和平に関わるつもりかは未知数だが、ガザ戦争で米欧がイスラエルの戦争犯罪的な無差別攻撃を止めることができない中で、中国の積極関与が期待される。
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コメンテータープロフィール
元朝日新聞記者。カイロ、エルサレム、バグダッドなどに駐在し、パレスチナ紛争、イラク戦争、「アラブの春」などを現地取材。中東報道で2002年度ボーン・上田記念国際記者賞受賞。2015年からフリーランス。フリーになってベイルートのパレスチナ難民キャンプに通って取材したパレスチナ人のヒューマンストーリーを「シャティーラの記憶 パレスチナ難民キャンプの70年」(岩波書店)として刊行。他に「中東の現場を歩く」(合同出版)、「『イスラム国』はテロの元凶ではない」(集英社新書)、「戦争・革命・テロの連鎖 中東危機を読む」(彩流社)など。◇連絡先:kawakami.yasunori2016@gmail.com
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