解説「採用活動が早い民間企業に流れるのを防ごう」という目的と「6月16日を標準日」がそもそも合っていません。 政府の就活ルールでは3年生3月1日が広報解禁日、4年生6月1日が選考解禁日です。 しかし、就活ルールはあくまでも目安です。実際には、選考解禁日より前に選考を実施、または内定(内々定)を出す企業が多くあります。 リクルート就職みらい研究所の「就職白書」(2024年卒)調査では、2月以前の面接開始は26.0%、5月以前の面接開始は累計で84.0%。内定(内々定)出し開始時期も2月以前18.6%、5月以前の累計76.1%でした。 このデータから標準日を6月16日にしてもその目的には合っていないことが明らかです。 そもそも、教員就職の希望者が減っているのは雇用条件の悪さにあります。教員就職希望者を増やしたいのであれば、給料や残業時間の改善、ハラスメント対策など同時並行に進める必要があります。
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コメンテータープロフィール
1975年札幌生まれ。北嶺高校、東洋大学社会学部卒業。編集プロダクションなどを経て2003年から現職。扱うテーマは大学を含む教育、ならびに就職・キャリアなど。 大学・就活などで何かあればメディア出演が急増しやすい。 就活・高校生進路などで大学・短大や高校での講演も多い。 ボランティアベースで就活生のエントリーシート添削も実施中。 主な著書に『改訂版 大学の学部図鑑』(ソフトバンククリエイティブ/累計7万部)など累計33冊・66万部。 2024年7月に『夢も金もない高校生が知ると得する進路ガイド』を刊行予定。