動物の細胞も光合成できる?ハムスター由来に葉緑体移植、反応を再現
朝日新聞デジタル
補足動物は基本的に自らエネルギーを作り出すことはできませんが、植物は葉緑体を持ち、光合成によってエネルギーを作り出せます。動物が光合成ができるハイブリッドの細胞のことを「プラニマル細胞」といいます。両者の特徴を持った生物として「ハテナ」という鞭毛虫(原生動物)がいて、動物でありながら細胞内に葉緑体を持ち、それによってエネルギーを供給してもらっています。動物の細胞内にあるミトコンドリアは、かつて細胞に共生した別の生物だったわけですが、こうした現象を共生といい、腸内細菌のようなものは一次共生、細胞内などに取り込まれることを二次共生といいます。「ハテナ」も細胞の核内に藻類の核を取り込んでいると考えられます。これまでいろいろな分野で研究が進められ、実際に心臓の疾患の治療のために血管に光合成を行うことのできるバクテリアを入れ、心臓に光を当てて光合成を行わせ、酸素を供給するという治療方法が行われています。
いしだまさひこ:北海道出身。法政大学経済学部卒業、横浜市立大学大学院医学研究科修士課程修了、医科学修士。近代映画社から独立後、醍醐味エンタープライズ(出版企画制作)設立。紙媒体の商業誌編集長などを経験。日本医学ジャーナリスト協会会員。水中遺物探索学会主宰。サイエンス系の単著に『恐竜大接近』(監修:小畠郁生)『遺伝子・ゲノム最前線』(監修:和田昭允)『ロボット・テクノロジーよ、日本を救え』など、人文系単著に『季節の実用語』『沈船「お宝」伝説』『おんな城主 井伊直虎』など、出版プロデュースに『料理の鉄人』『お化け屋敷で科学する!』『新型タバコの本当のリスク』(著者:田淵貴大)などがある。