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星周一郎

星周一郎認証済み

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東京都立大学法学部教授

報告

解説危険運転致死罪の成立が認められましたが、「進行制御困難」に関する従来の解釈の枠は維持したうえで、道路の形状が一般道であり、高速走行を前提にしていないことから、ハンドル等のわずかな操作ミスで物理的に進行制御困難になることに加え、夜間で視野が狭くなるという事実関係に着目して、危険運転致死罪の成立を認めたようです。 危険運転致死罪を認めた結論には、多くの方の納得がいくでしょう。ただし、その根拠としては、単に「194kmであるから危険運転」としているわけではありません。立証に非常に大きな労力を要するという構図自体は、従来と変わっていないともいえます。 被告人側が控訴をするか、また、現在、法務省で行われている法改正の検討にどのような影響を及ぼすか、今後の展開も注目されます。

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  • 上西一美

    日本事故防止推進機構理事長/株式会社ディ・クリエイト代表

    提言危険運転の認定となりましたが、今後は、明確な基準を設けるべきでしょう。 速度に関しては、1.5倍とか…続きを読む

  • 柳原三佳

    ノンフィクション作家・ジャーナリスト

    見解私は11月12日、被告人への尋問を大分地裁で傍聴しました。すでにさまざまなメディアでも報じられていま…続きを読む

コメンテータープロフィール

1969年愛知県生まれ。東京都立大学法学部卒業、博士(法学・東京都立大学)。専門は刑事法。近年は情報法や医事法にも研究対象を拡げている。著書として『放火罪の理論』(東京大学出版会・2004年)、『防犯カメラと刑事手続』(弘文堂・2012年)、『現代社会と実質的刑事法論』(成文堂・2023年)、『アメリカ刑法』(訳・レクシスネクシス・ジャパン・2008年)など。

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