「危険運転」法改正へ、速度や飲酒に数値基準…「ドリフト走行」も処罰対象に
悪質な運転による交通事故を適正に処罰するため、法務省は、自動車運転死傷行為処罰法の危険運転致死傷に関する規定を改正する方針を固めた。高速度や飲酒運転による事故への適用要件を明確化するため、速度や運転手のアルコール濃度について数値基準を新設する。車のタイヤを横滑りさせながら運転する「ドリフト走行」も処罰対象に加える方向だ。 【写真】194キロ衝突死「交差点を右折しただけでこんな理不尽が」
法務省の有識者検討会が27日、数値基準の導入など法整備を求める報告書を取りまとめたのを受けて、早ければ年度内にも法制審議会(法相の諮問機関)に諮問し、具体的な数値や要件などを固める。
現行法の危険運転致死傷は、「制御が困難な高速度」や「アルコールの影響で正常な運転が難しい状態」で車を運転し、事故を起こした場合に適用される。
ただ、その要件が曖昧で、大幅に速度を超過していても運転ミスに適用される同法の「過失運転致死傷」にとどまるなど司法の判断にバラツキが生じ、遺族らから批判の声が出ていた。
検討会では委員から速度の数値基準について「最高速度の2倍や1・5倍」とする意見が出た。飲酒については、呼気1リットル中のアルコールが酒気帯び運転の基準と同じ「0・15ミリ・グラム以上」のほか、「0・25ミリ・グラム以上」「0・5ミリ・グラム以上」とする案が示された。