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畑中三応子

畑中三応子

認証済み

食文化研究家/料理編集者

報告

補足いまも西日本では、魚のすり身を揚げたものを「天ぷら」と呼んでいます。海沿いの各地でつくられるなかで、とくに個性的なのが愛媛県宇和島市や八幡浜市名産の「じゃこ天」です。皮や骨ごとすりつぶすのでカルシウムが豊富で、栄養面でもすぐれているのが特徴です。 名前の由来は、底引き網でとれるいろいろな種類の魚(雑魚)でつくられていたため「ざこ天」と名付けられ、変化して「じゃこ天」になったという説、原料のホタルジャコから呼ばれるようになったという説があり、1615年に宇和島藩初代藩主の伊達秀宗が故郷を偲び、仙台から蒲鉾職人を連れてきてつくらせたことがはじまりといわれてます。 もともと有名でしたが、今回の騒動でますます名前が知られ、全国区でおいしさが知られるようになったのは、地元の人にもうれしい逆効果だったのではないでしょうか。

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コメンテータープロフィール

『シェフ・シリーズ』と『暮しの設計』(ともに中央公論社)の編集長をつとめるなど、プロ向きから超初心者向きまで約300冊の料理書を手がけ、流行食を中心に近現代の食文化を研究・執筆。第3回「食生活ジャーナリスト大賞」ジャーナリズム部門大賞受賞。著書に『熱狂と欲望のヘルシーフード−「体にいいもの」にハマる日本人』(ウェッジ)、『ファッションフード、あります。−はやりの食べ物クロニクル』(ちくま文庫)、『〈メイド・イン・ジャパン〉の食文化史』『カリスマフード−肉・乳・米と日本人』(ともに春秋社)などがある。編集プロダクション「オフィスSNOW」代表。

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