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畑中三応子

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食文化研究家/料理編集者

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補足奈良県は吉野葛で有名ですが、わらび粉も奈良県が名産地。ワラビはシダ植物の1種で山野に自生し、若芽はアク抜きをして山菜として賞味します。根茎から精製するのがわらび粉で、水や砂糖を加えて加熱すると独特の食感のある餅になり、きな粉をまぶすのが古典的な食べ方です。 わらび餅は、1643年(寛永20)に刊行された日本初の実用的料理書「料理物語」にレシピが紹介されている歴史の古い餅菓子。室町時代から江戸時代にかけて流行したといわれ、いまも奈良や京都には老舗が多く見られます。 かつて京阪神中心の銘菓だったわらび餅が全国で食べられるようになったのは、1980年代に大手製パンメーカーが量産菓子として商品化し、コンビニで販売されるようなったのがきっかけでした。 飲茶の点心には、わらび餅に近い食感のものが豊富。香港やシンガポールの人たちにとり、わらび餅はもっとも受け入れやすい和菓子のひとつだと思います。

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コメンテータープロフィール

『シェフ・シリーズ』『暮しの設計』(ともに中央公論社)編集長をつとめるなど約350冊の料理書を手がけ、流行食を中心に近現代の食文化を研究・執筆。第3回「食生活ジャーナリスト大賞」ジャーナリズム部門大賞、Yahoo!ニュースエキスパート「ベストエキスパート2024」コメント部門グランプリ受賞。著書に『熱狂と欲望のヘルシーフード−「体にいいもの」にハマる日本人』(ウェッジ)、『ファッションフード、あります。−はやりの食べ物クロニクル』(ちくま文庫)、『〈メイド・イン・ジャパン〉の食文化史』『カリスマフード−肉・乳・米と日本人』(ともに春秋社)など。編集プロダクション「オフィスSNOW」代表。

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