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江守正多

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東京大学 未来ビジョン研究センター 教授

報告

補足英国は2030年までに90年比68%排出削減する目標を掲げており、現時点で既に53%程度の削減を達成しています。近年は風力発電などの再生可能エネルギーを大幅に増やしており、石炭火力からの脱却も果たしています。 2035年までに81%削減する目標は、気候変動問題の専門家からなる気候変動委員会(UKCCC)からの勧告に沿ったもので、「科学の声」に従った目標であると評価することができます。 各国は来年2月までに2035年目標を提出する必要があり、日本政府も目標の策定を進めています。英国が〆切よりも早く目標を発表したのは、国際的な議論をリードし、他国も野心的な目標を提出する機運を高める狙いがあると考えられます。 トランプ氏当選で向こう4年間の米国の対策の減速と国際協調への非協力が見込まれる中、残りの国々が結束して脱炭素化を進めなければ、気候変動被害による人類の危機的な状況は避けられません。

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コメンテータープロフィール

江守正多

東京大学 未来ビジョン研究センター 教授

1970年神奈川県生まれ。1997年に東京大学大学院 総合文化研究科 博士課程にて博士号(学術)を取得後、国立環境研究所に勤務。同研究所 気候変動リスク評価研究室長、地球システム領域 副領域長等を経て、2022年より現職。東京大学大学院 総合文化研究科で学生指導も行う。専門は気候科学。IPCC(気候変動に関する政府間パネル)第5次および第6次評価報告書 主執筆者。著書に「異常気象と人類の選択」「地球温暖化の予測は『正しい』か?」、共著書に「地球温暖化はどれくらい『怖い』か?」、監修に「最近、地球が暑くてクマってます。」等。記事やコメントは個人の見解であり、所属組織を代表するものではありません。

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