これが事実ならもちろん、前代未聞の話です。同時にこれは、内閣の危機管理の問題でもあります。 問題が発覚した昨年に、早期に事実を認め、それを明らかにすべきでした。そうすると、“犠牲者”も少なくて済んだはずです。 事実とは、安倍昭恵夫人の「関与」です。昭恵夫人が財務省や近畿財務局に直接働きかけたとは思いませんが、自分の名前を悪用されそうなところにのこのこ行くべきではなかったし、夫人に「お目付け役」を付けたのなら、彼女たちが注意して止めるべきでした。 要するに、この民主主義の日本の一部にとんでもない封建社会が国政の主要な場面にあったということ。 とても分別があると思えない夫人の行動を止められないという首相の家庭の事情が政権の命取りになりそうになった――後世の日本の政治史には、こう刻まれることでしょう。
コメンテータープロフィール
兵庫県出身。姫路西高校、慶應義塾大学経済学部卒。国会議員政策担当秘書資格試験に合格後、政策担当秘書として勤務。テレビやラジオに出演の他、「野党共闘(泣)。」「“小池”にはまって、さあ大変!ー希望の党の凋落と突然の代表辞任」(ワニブックスPLUS新書)を執筆。「記者会見」の現場で見た永田町の懲りない人々」(青林堂)に続き、「『新聞記者』という欺瞞ー『国民の代表』発言の意味をあらためて問う」(ワニブックス)が咢堂ブックオブイヤー大賞(メディア部門)を連続受賞。2021年に「新聞・テレビではわからない永田町のリアル」(青林堂)と「眞子内親王の危険な選択」(ビジネス社)を刊行。姫路ふるさと大使。